人事労務トピックス

年次有給休暇の取得が過去最高~令和2年就労条件総合調査~

厚生労働省から令和2年就労条件総合調査の結果が公表されました。今年の特徴は、年次有給休暇の取得日数が過去最多の10.1日、取得率が過去最高の56.3%となったことです。

◆労働時間制度
(1)所定労働時間
1日の所定労働時間は、1企業平均7時間47分(平成31年調査7時間46分)、労働者1人平均7時間46分(同7時間45分)となっています。
週所定労働時間は、1企業平均39時間24分(同39時間26分)、労働者1人平均39時間03分(同39時間03分)となっています。
週所定労働時間の1企業平均を企業規模別にみると、「1,000人以上」が39時間00分、「300~999人」が39時間09分、「100~299人」が39時間12分、「30~99人」が39時間30分となっています。産業別にみると、「金融業、保険業」が38時間17分で最も短く、「宿泊業、飲食サービス業」が39時間51分で最も長くなっています。
(2)年間休日総数
平成31年・令和元年(又は平成30会計年度)の年間休日総数の1企業平均は109.9日(平成31年調査108.9日)、労働者1人平均は116.0日(同114.7日)となっています。
1企業平均年間休日総数を企業規模別にみると、「1,000人以上」が116.6日、「300~999人」が114.9日、「100~299人」が113.0日、「30~99人」が108.3日となっています。
(3)年次有給休暇
 平成31年・令和元年(又は平成30会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇(繰越日数を除く。)は労働者1人平均18.0日(平成31年調査18.0日)、そのうち労働者が取得した日数は、10.1日(同9.4日)で、取得率は56.3%(同52.4%)となっており、取得日数は過去最多(昭和59年以降)、取得率は過去最高(昭和59年以降)となりました。

◆賃金制度
(1)時間外労働の割増賃金率
時間外労働の割増賃金率を「一律に定めている」企業割合は81.6%(平成31年調査84.0%)となっており、そのうち時間外労働の割増賃金率を「25%」とする企業割合は93.3%(同94.9%)、「26%以上」とする企業割合は4.5%(同5.0%)となっています。
(2)諸手当
令和元年11月分の常用労働者1人平均所定内賃金は319.7千円となっており、そのうち諸手当は47.5千円、所定内賃金に占める諸手当の割合は14.9%となっています。
また、所定内賃金に占める諸手当の割合を企業規模別にみると、規模が小さいほど高くなっています。

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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