人事労務トピックス

「副業」実態調査~「エン転職」ユーザーアンケートより~

エン・ジャパン株式会社が運営する総合転職支援サービス『エン転職』(https://employment.en-japan.com/)上で、ユーザーを対象に実施した「副業」についてのアンケート結果が公表されました。

◆副業希望者
「現在、副業を希望していますか?」と伺ったところ、49%が「希望している」(非常に希望している:24%、やや希望している:25%)と、昨年より8ポイントアップしました。「現在お勤めの会社では、副業は認められていますか?」と伺うと、27%が「認められている」と回答。約半数が副業を希望する一方、容認していない企業が多いことがうかがえます。
◆副業の希望理由
副業希望者に、希望する理由を伺ったところ、昨年の本調査と同様に「収入を増やしたい」(88%)が最多でした。「失業したときの保険」は22%と、昨年より8ポイント増加。新型コロナウイルス感染拡大以降、将来の仕事に不安を抱く方が多いことがうかがえます。
◆副業の経験
副業経験の有無を伺ったところ、34%が「経験がある」(現在している:12%、過去に経験がある:22%)と回答しました。昨年と比較すると、2ポイントの上昇。副業経験がある方に経験してよかったことを伺うと、第1位は「副収入が得られた」(82%)でした。副業に期待する収入増が実際に叶った方が多いことが分かりました。
ほかにも、「人間関係が広がった」(30%)、「知見・視野が広がった」(30%)という回答が目立ちました。中には「コロナ禍で出勤ができず、知人に紹介してもらい在宅でできる副業を始めた」と、新型コロナウイルスの影響が伺える回答もあります。
◆副業で不安なこと
副業の不安を伺ったところ、第1位は「手続きや税金の処理が面倒」(52%)でした。「20万円以上稼いだので確定申告が面倒くさかった」(28歳女性)、「本職ですら、怪我したりした時に労災をめぐってトラブルになったから」(35歳女性)など、副業をする上で必要な対応や制度理解を懸念に感じている方が多いようです。
第2位は「本業に支障が出そう」(37%)でした。 「現在の会社では副業は難しそうなので、もしやるとしたら会社バレが怖いです」(31歳女性)、「今の会社では具体的に副業可能か記載がなく、また副業可能かどうか聞くことで、転職の気があるか悟られないかが不安です」(27歳女性)など、本業の職場での印象や変わらず成果を出し続けられるか不安な方が多いことが分かりました。
第3位は「過重労働で体調を崩しそう」(36%)でした。「今の仕事で精一杯です。日曜日しか休みがないので副業は考えたこともありませんでした」(23歳女性)など、本業と副業のスケジュール調整、労働時間のバランスを不安視していることがうかがえます。

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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