人事労務トピックス
8.182017
いま、中小企業がとるべき人材戦略とは (1)従来型の人事戦略システムが通用しない
人づくりというテーマに絞り、人事に特化した話をしていきます。
いま、少子高齢化で労働人口の減少が続く中、多くの企業が人材の募集難に悩まされています。そして、社員の定着性をいかに上げるかというテーマが、中小企業がクリアすべき経営上の課題として浮上しています。
なぜそうなったのか。まず、その背景を振り返ってみましょう。企業は、さまざまな経営資源を投入して、価値に変換するシステムといえます。高度成長時代からバブル期にかけて、右肩上がりの経済情勢下では、投入する資産として、原材料や労働力、機械設備、資金などの有形資産が重視され、それらの投入量の拡大を図ることで、企業価値が増大しました。
ところが、平成に入りバブル経済がピークを超えた後も、多くの企業が有形資産の投入を続けました。そしてバブル経済の崩壊、国際的な競争激化の影響で業績が悪化すると、収益への即効性を求め、成果主義などアメリカ流のビジネスモデルを採用しました。その結果、モチベーションの低下、優秀な社員の社外流出を招き、大手電機メーカー、総合商社など企業価値を毀損させる企業が相次ぎました。
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高橋 邦名(たかはし くにかた)
(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。
社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。
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