人事労務トピックス

マネージメントと「文書」の大切さ

◆マネージメント力が問われる傾向
厚生労働省は、平成31年度からの新事業として、企業のマネージメント力を支える人材育成強化プロジェクト事業(仮称)を行うとしています。
具体的には、マネージメント力向上のためのモデルカリキュラムの開発を進め、企業の教育訓練の実施を総合的に支援するセミナー等を行うということです。昨今、セクハラ、パワハラ、情報セキュリティなどに端を発する不祥事が顕在化しており、労働・職場環境の悪化や、生産活動の停止等により、企業の生産性に悪影響を与える場合も生じている現状を踏まえて実施するものです。

◆文書の重要性
マネージメント力向上は、国としても取り組む企業の課題となっていますが、日頃の労務管理方法としては、やはり文書でのやりとりが重要でしょう。
テクノロジーが発達したとはいえ、人間同士の問題に対しては目に見える文書とともに注意・指導等を行うのが、一番「響く」と思われますし、文書を残しておけば、万が一裁判になった場合などにも会社側の主張を立証する証拠ともなります。

◆状況に合わせた見直しが必要
懲戒処分を通知する文書でも、けん責、減給、懲戒処分通知書、諭旨退職、管理不行届きだった管理者への処分など、それぞれ内容も書きぶりも違ってきます。
また、最近の裁判では、例えば問題社員の行動に対して注意・指導書を発しているだけではダメで、面談等による実際的な指導も必要と判断されるようになってきているようです(問題社員と接するのは嫌だという担当者の心情も理解できますが)。さらに、SNSの使用等に関する注意・警告のための文書など、新しい文書も必要となってきていますので、自社の文書や労務管理の実態が、世の中の状況に対応しているか見直してみる必要があるかもしれません。

◆わかりやすい文書を書くには
また、日常業務に使う文書(年末調整用の書類提出のお願いなど)も、わかりやすさを意識することで、従業員の会社・管理部門に対する印象は随分と変わってきます。役所や国が出した情報の丸写しは、間違いがないかもしれません。しかし、従業員が理解しにくいようでは、結局きちんと読まれずに、ミスや手戻りにつながってしまいます。伝わる文章を書くコツは、「小学生にもわかるように」書くことだそうです。意識して変えてみるとマネージメントの改善にもつながるでしょう。

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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