人事労務トピックス

不正統計調査対応のスケジュールが明らかに

◆現在受給中の人には3月から追加給付
不正統計問題で厚生労働省は2月4日、追加給付に向けた工程表を明らかにしました。
それによると、雇用、労災、船員の各保険で現在給付を受けている人は3月から、過去の受給者は6月から、順次追加給付を受けることとなっています。
制度によって支払開始時期はまちまちで、船員保険で6月、労災保険の休業補償で9月頃、労災年金で10月頃、雇用保険で11月頃とされています。

◆追加給付を受けるための手続方法は?
現在受給中の人は手続き不要ですが、過去の受給者には厚生労働省から通知が届きます。
しかしながら、現住所や氏名の変更を把握していない人には通知が届かないおそれがあり、述べ約2,000万人の対象者のうち1,000万人以上の対象者の住所が不明との報道もあるため、厚生労働省が来月開設する予定のホームページで対象かどうかを確認する人は、相当数に上りそうです。
会社にも、退職者から問合せ等が寄せられるかもしれません。

◆雇用調整助成金の過少給付問題はどうなる?
この問題では、被保険者への給付だけでなく、雇用調整助成金の過少支給も30万件、約30億円あることがわかっています。
2004年8月から2011年7月の間、または2014年8月以降に休業等して本助成金を受けた企業が追加給付の対象となりますが、被保険者への追加給付の支払いよりも後になるため、まだ手続方法や支払開始時期は明らかにされていません。
ただし、申請書類等が処分済みだったり廃業済みだったりして対象企業が把握できず、正しく通知が届かないおそれのあることが明らかになっていますので、注意が必要です。

◆覚えのある会社は書類を探してみましょう
追加給付は、既に廃業した企業も対象となります。手続きのための書類には、支給申請書類一式、支給決定通知書が今後役立つ可能性があるとされているものの、限定されていないので、当時のことがわかる書類を探してみるとよいでしょう。
自社に残っていない場合でも、手続きを代行した社会保険労務士が控えを保存している可能性がありますので、助成金を受給した覚えのある会社は確認してみましょう。

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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