人事労務トピックス

組合数は減少、組合員数はパート労働者で大幅増加~厚労省基礎調査

◆労働組合数と組合員数
 厚生労働省が公表した平成30年「労働組合基礎調査」の結果によると、平成30年6月30日現在、単一労働組合は24,328組存在しており、組合員数は1,007万人で、前年と比べると組合自体は137減っているのに対し、組合員数は8万8,000人増えています。過去5年間の調査結果をみても、組合数は減少の一途に対し、組合員数は増加し続けています。
□また、労働組合員(単位労働組合)のうち、パートタイム労働者は129万6,000人で、前年より8万9,000人増えていて、全組合員に占める割合は13.0%となっています。この割合は、過去5年間、毎年1%ずつ増加しています。
◆産業別の実態
 産業別にみると、「製造業」が全体の26.3%と最も多く、次いで「卸売業、小売業」が14.7%、「運輸業、小売業」が8.4%と続きます。逆に、組合がほとんどない業界として、「農業・林業・漁業」が0.1%、「鉱業、採石業、砂利採取業」0.1%、また「不動産業、物品賃貸業」が0.3%となっています。
◆企業規模別の実態
 民営企業の労働組合員数(単位労働組合)は865万3,000人で、前年に比べて10万4,000人増えています。これを企業規模別にみると、1,000人以上規模が全体の65.4%を占めています。300~999人規模は全体の13.3%、100~299人規模は7.0%と、組合員数は企業規模の大きさに比例しています。
◆主要団体への加盟
 主要団体別に、産業別組織を通じて加盟している労働組合員数(単一労働組合)をみてみると、組合員が増えている団体は、連合(日本労働組合総連合会)が686万1,000人(前年比0.9%増)、インダストリオール・JAF42万7,000人で前年比1.2%増。一方で、横ばい、もしくは減少している組合は、全労協(全国労働組合連絡協議会)が9万7,000人(前年比1.0%)、全労連(全国労働組合総連合)が53万6,000人(前年比1.2%減)となっています。
労働組合の用語の定義
・単位組織組合:規約上労働者が当該組織に個人加入する形式をとり、かつ、その内部に独自の活動を行い得る下部組織(支部等)を持たない労働組合
・単一組織組合:規約上労働者が当該組織に個人加入する形式をとり、かつ、その内部に下部組織(支部等)を有する労働組合をいう。このうち最下部の組織を「単位扱組合」、最上部の組織を「本部組合」という。
・単位労働組合とは、「単位組織組合」および単一組織組合の下部組織である「単位扱組合」をいい、単一労働組合とは、「単位組織組合」および単一組織組合の最上部の組織である「本部組合」をいう。

【平成30年労働組合基礎調査の概況(PDF)】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/18/dl/gaikyou.pdf

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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