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有給休暇を正しく運用する(2)

年次有給休暇を従業員に与える義務は、法律で定められています。有休の消化率を高めるためにはどうしたらいいのか、半日の有休など弾力的な運用は可能なのか。正しい運用のルールを把握しておきましょう。

計画的付与
 
年休の計画的付与は、労使協定を締結することによって年休の取得時期をあらかじめ計画的に設定する制度です。一般に、年休を取得しない理由として上司・同僚への気兼ねが大きいといわれていますが、これを解消し年休の取得促進を図ることを目的として定められた制度です。計画年休の付与方法は下記の通りです。

  1. 事業場全体での一斉付与(夏季休暇、ゴールデンウイークの谷間の出勤日等に定める)
  2. 班別の交替制付与
  3. 年休付与計画表による個人別付与など

計画年休に基づいて年休日が定められた場合、時季変更はできません。また、従業員も労使協定で決定した計画年休に従わなければなりません。なお、計画年休により個々の従業員が利用できる年休数が減ってしまう不都合があるため、個々の従業員が保有する年休日数のうち、最低 5 日は本人が自由に使えるように確保しなければなりません。

半日有休
 
半日有休は、認める義務はありませんが、従業員の便宜を図る目的で、制度として導入することは差し支えありません。
1労働日は暦日なので、原則的には半日は「午前 0 時~午前 12 時」と「午後 0 時~午後 12 時」に分けられます。
始業午前 9 時、終業午後 6 時、休憩 1 時間の場合、午前半休は「午前 9 時~午前 12 時」の 3 時間、午後半休は「午後 1 時~午後 6 時」の 5 時間となります。この場合、午前半休と午後半休の時間数が異なるため、午前半休を「午前 9 時~午後 2 時」、午後半休を「午後 1 時~午後 6 時」と均等に分けることも可能です。
なお、労使協定を締結することで時間単位の年休を導入することもできます。年休管理が煩雑になる懸念はありますが、育児や介護に気軽に利用できる利便性があります。

〈規定例〉
第○条
5 年次有給休暇は原則として1日単位とするが、会社が認めた場合には半日単位で取得することができる。
6 会社は、従業員代表との書面による協定を結び、各従業員の有する年次有給休暇のうち5日を超える部分について、あらかじめ時季を指定して与えることができる。

就業規則の見直しは当事務所(042-627-0521)までお気軽にご相談ください。

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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