人事労務トピックス

いよいよ発効する日中社会保障協定

◆9月1日から日中社会保障協定が発効に
「社会保障に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定(日・中社会保障協定)」の効力発生のための外交上の公文の交換が、5月16日に北京で行われました。これにより、令和元年9月1日から協定の効力が生ずることになります。
昨年5月に日中の間で署名が行われましたが、日本側では社会保障協定は条約に該当し、国会の承認を得ることを必要としたため、発効までに時間を要したものです。

◆社会保障協定はなぜ行われる?
 社会保障協定は、①「保険料の二重負担」を防止するために加入するべき制度を二国間で調整する(二重加入の防止)、②保険料の掛け捨てとならないために、日本の年金加入期間を、協定を結んでいる国の年金制度に加入していた期間とみなして取り扱い、その国の年金を受給できるようにする(年金加入期間の通算)、ために締結しています(ただし、イギリス、韓国、イタリアおよび中国については、①の保険料の二重負担防止のみ)。
 現在、日本は、ドイツ、イギリス、韓国、アメリカなど22カ国と協定を署名しており、うち19カ国は発効しています(署名済未発効の国:イタリア、中国、スウェーデン)。

◆日中社会保障協定の効果
 これまで、日・中両国の企業等からそれぞれ相手国に一時的に派遣される被用者(企業駐在員等)等には、日・中両国で年金制度への加入が義務付けられていたため、年金保険料の二重払いの問題が生じていました。日中社会保障協定は、この問題を解決することを目的としており、この協定の規定により、派遣期間が5年以内の一時派遣被用者は、原則として、派遣元国の年金制度にのみ加入することとなります。要するに日本から中国に5年以内の期間を予定して派遣される人は、中国の年金制度に加入する義務は免除され、引き続き、国民年金または厚生年金に加入するということです。一方、中国から日本に同様に派遣されてくる人は、日本の年金制度への加入が免除され、引き続き、中国の年金制度に加入し続けることになるのです。
在中国在留邦人数(永住者を除く)は、121,095名(うち民間企業関係者(本人)70,135名)に上ります(平成29年10月現在)。協定が発効すれば、企業、駐在員等の負担が軽減されますし、さらに日本企業の競争力向上や日・中両国の人的交流が一層促進されることが期待されています。

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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