人事労務トピックス

職場におけるハラスメントの実態の連合調査から

連合は、国際労働機関(ILO)の総会で「仕事の世界における暴力とハラスメント」に関する条約案が採択されるよう、日本政府に条約案の支持と採択後の批准を求めていますが、このたび、職場や就職活動におけるハラスメントの実態を把握して条約の必要性をアピールするため、「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019」をインターネットリサーチにより実施しました(対象は全国の20 歳~59 歳の有職者1,000 名)。その調査結果の一部を紹介します。

◆ハラスメントの有無
「職場でハラスメントを受けたことがある」と答えたのは全体の38%。決して少なくない数です。そして、そのうちの54%が「仕事のやる気がなくなった」と回答しています。また、22%が「心身に不調をきたした」、18.9%が「仕事を辞めた・変えた」と答えています。

◆ハラスメントの種類
「受けたことのあるハラスメントの内容」については、「脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的攻撃」が最も多く41.1%、「業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害などの過大な要求」が25.9%等、パワーハラスメント(以下、パワハラ)に該当しうる行為を受けたという人が散見されました。「セクシャル・ハラスメント」(以下、セクハラ)は26.7%で、男性よりも女性のほうが高く、女性の約4割が受けたと答えています。

◆ハラスメントの相手
“上司”からのハラスメントで多いのは、「脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的攻撃」が最も多く28.1%、“同僚”からのハラスメントは、「人間関係からの切り離し」が19.4%と最も高くなりました。また、“取引先”からのハラスメントでは、「セクハラ」が28.1%、“顧客”からのハラスメントでは、「精神的な攻撃」が23.3%で最も高くなりました。

◆ハラスメントを受けた時の相談相手
ハラスメントを受けた時、56%が誰かしらに相談していて、その相手として多いのが、「職場の上司・先輩」(23.7%)、「職場の同僚」(18.1%)、となっています。一方で、ハラスメントを受けたことのある人の半数近くが「誰にも相談しなかった」と回答していますが、その理由は、「相談しても無駄だと思ったから」が圧倒的の67.3%でした。

◆就職活動中におけるセクハラ
就職活動を行った人(835名)への就職活動中にセクハラを受けたことがあるかという質問に対しては、89.5%が「受けたことはない」との回答でした。「受けたことがある」10.5%のうちでは、20代男性が最も多く、5人に1人の割合であることがわかりました。
また、セクハラの内容としては、「性的な冗談やからかい」(39.8%)、「性的な事実関係(性体験など)の質問」(23.9%)、「食事やデートなどへの執拗な誘い」(20.5%)となっています。「性的な冗談やからかい」は、主に“人事担当者”から受け、「食事やデートへの執拗な誘い」や「性的な関係の強要」といったハラスメントは、“OB・OG”から受けたとの回答が目立ちました。
条約の行方はともかく、ハラスメントへの対策は、当事者が傷つくばかりではなく、企業イメージを損ね、採用や人材定着にも影響を与えるものです。企業にも一層の気遣いが求められるところです。

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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