人事労務トピックス
4.132020
深刻化する「引っ越し難民」への対策は?
◆「引っ越し難民」とは?
毎年3月から4月は、異動による転勤や進学、就職などにより引っ越しの依頼が集中し、引っ越し業者は繁忙期に入ります。近年、業界全体のトラック運転者の人手不足や働き方改革への取組みによる受入れ件数の抑制などの影響により、「引っ越し業者が見つからない」「希望する日程で引っ越しができない」といった「引っ越し難民」が相次ぎ、問題が深刻化しています。
◆国や業界団体が呼掛け
国土交通省と業界団体は、「引っ越し難民」発生防止策として、大手引っ越し会社の今春の予約状況を公表し、引っ越し時期の分散(「2月または4月中旬以降」に検討)を呼び掛けました。その結果、昨年よりも2月から3月上旬の予約件数が増えたことが明らかになりました。
◆企業側の対応策
国土交通省は、4月に異動をする職員を対象に業務の支障のない範囲で、4月8日以降に勤務開始日を後ろにずらすことを認める方針を示しました。企業側の対応策としても、引っ越し業者の繁忙期は他の時期に比べ料金が高くなることが多いことから、異動による転勤の時期をずらして引っ越しにかかる費用を抑える動きが出てきているようです。
◆ドライバー不足が深刻
国土交通省によると、トラックドライバーの有効求人倍率は3.03倍(2019年1月時点)と、人手不足は深刻な状況です。引っ越し業界では、繁忙期のドライバーや作業員の確保が難しくなっています。
企業で転勤に伴う引っ越しを要する従業員がいる場合は、早めにスケジュールを立てることや繁忙期を避けることを検討してみてはいかがでしょうか。
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高橋 邦名(たかはし くにかた)
(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。
社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。
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