人事労務トピックス

社労士が解説!労務問題 Q&A「休職」①

休職とは、特定の労働者について労務に従事させることが不能または不適当な事由が生じた場合(私傷病、出向など)に、使用者がその労働者との労働契約関係は維持しながら、労務への従事を免除し、あるいは禁止することをいいます。
休職制度を設けるか否かは任意ですが、制度を設ける場合には、就業規則にその旨を定めておく必要があります。休職制度の代表例といえる私傷病休職は、労働者が在職中に業務外の事情で負傷し、または病気になり、一定期間の欠勤を続ける場合の休職です。一定期間療養の機会を与えることにより解雇を猶予する制度といえます。私傷病休職制度を設けることは法律上義務付けられておらず、制度を設ける場合にどのような設計・運用を行うかは会社の裁量に委ねられています。
私傷病休職の設計・運用について、留意点は以下の通りです。

対象者
長期雇用を前提とした人材の雇用をできるだけ維持し、復職後も活用することを意図した制度であり、正社員のみを対象とするのが一般的です。ただし、正社員であっても一定の勤続年数(たとえば 1 年以上)のみに適用する例、試用期間中の労働者を除外する例もあります。
休職期間前の欠勤期間
「業務外の傷病により欠勤が連続して1カ月に達したとき」のように、欠勤が一定期間連続したことを要件とする例が一般的です。 欠勤・出勤を繰り返すメンタル不調の社員に対応するため、連続欠勤を要件とせず、休職を命じることができるようにしておくことも重要です。
休職期間
会社によってさまざまな内容が定められますが、勤続年数によって休職期間を定める例が一般的です。中には、疾患の種類(結核や精神疾患など)による区分を設ける例もあります。
休職期間中の取り扱いなど
休職期間中の取り扱い、復職時の取り扱い、復職しないまま休職期間満了になった場合の取り扱いなどについても、就業規則に明確に定めておく必要があります。なお、私傷病休職に当たっては、合理的かつ相当な理由がある場合には、会社の指定する医師への受診を命じることができます。ただし、受診を命じた際に労働者とトラブルになることも想定されるため、受診命令について就業規則に定めがあることが望ましいで す。また、私傷病休職制度を設けている場合に、私傷病休職を利用しないで行った解雇は、復職の見込みがない場合を除き、解雇権の濫用 として無効となる可能性が高いので注意が必要です。

 

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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