人事労務トピックス

中小企業の経営改善の進め方【企業価値を高める「人財成長型人事トータルシステム」「やる気」を高める人事の仕組み】

戦略リワードシステムで企業目的を実現する

人財成長型人事トータルシステムは、従業員が日々仕事をしていることに対して、会社としてどのように報いる(リワード)かを、戦略的に設計するシステムです。そのため、「戦略リワードシステム」とも呼んでいます。
戦略リワードシステムの全体像は、図1に挙げた図の通りです。右の列が「企業目的」、左の列が「従業員の期待」で、真ん中の列に「企業目的」と「従業員の期待」をいかにシステム化するかという「人事の制度・しくみ」を示しています。
右側の「企業目的」では、企業価値を高めることに第一義的に取り組みます。具体的な指標としては、業績の向上と定着率のアップが挙げられます。経営理念、経営目標、戦略創造が最上位に位置し、これを支えるものとして
経営戦略プロジェクト、人事戦略・人事行政、従業員活性化プロジェクトが存在します。
左側の「従業員の期待」については、適正な処遇、貢献・評価がもたらす基本的欲求部分と、「その企業の中で、自分を高めることができるのか」という「やる気」とをリンクさせることが大切です。ここでは、人財開発としての教
育を施すことによって、能力の向上と能力の発揮が実現されます。
これらの左右の要素を有機的にリンクさせる制度・しくみが、戦略リワードシステムです。従業員に個人面談で目標を設定し、毎月 1 回など定期的にきめ細かくフォローアップすることで、常に働きかける体系を作り上げます。結
果的に、従業員本人が求められる仕事を実現できる力を身に付け、結果を出すプロセスに入っていけば、おのずと会社の業績は向上し、従業員の定着率もアップしていきます。
会社が一定規模になると、人事の強化が経営そのものになってきます。教育、成長、処遇がスパイラルに回りだし、人財力が高まってくると、業績に反映してきます。

 

The following two tabs change content below.

高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

関連記事

ページ上部へ戻る