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トラブルゼロへ! 就業規則改定のポイント「懲戒処分」

懲戒処分には客観的に合理的な理由が必要
 
懲戒処分とは、業務命令や職務規律に違反するなど企業秩序を乱した労働者に対して、使用者が制裁として行う不利益措置(制裁罰)をいいます。
一般的に定められることが多い懲戒処分として、以下に挙げた6つがあります。
 
①譴責 ②減給 ③出勤停止 ④降格 ⑤諭旨退職 ⑥懲戒解雇
 
これらの懲戒処分が有効となるための要件として、まず根拠規定が存在することが必要です。

①就業規則に懲戒の種類及び事由を定めておき、②適用を受ける労働者に周知する手続がとられている必要があります。また、遡求処罰は禁止されるため、③対象となる行為
より前に、懲戒に関する規定があらかじめ定められていることが必要です。
また、懲戒処分が有効であるためには、「客観的に合理的な理由」があること、つまり、労働者の行為が懲戒規定に定められた懲戒事由に該当することが必要です。さらに、「社会通念上相当」であること、すなわち処分の相当性も懲戒処分の有効要件となります。
懲戒処分前に、自宅待機を業務命令として行うことは可能です。ただし、賃金は原則100%補償が必要で、かつ不当に長期にわたる待機期間は認められない可能性があります。

懲戒解雇でも解雇予告、退職金が必要な場合がある
 
減給の制裁については、①「1回の事案に対して平均賃金の1日分の半額以下」という制限があります(労基法91条)。
さらに、事案が複数回発生した場合②「1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」という制限があります。
②の「賃金の総額」は、当該賃金支払期において現実に支払われるべき賃金の総額を意味し、①の制限にある「平均賃金」ではない点に注意が必要です。
懲戒解雇の場合、解雇予告や解雇予告手当の支払いをせずに即時に行われるケースが多く見られます。ただし、懲戒解雇の事案がすべて解雇予告制度の除外事由に該当するわけではありません。
そこで、懲戒解雇を行う場合であっても、事案によっては解雇予告または解雇予告手当の支払いが必要な場合もあるので注意が必要です。
また、懲戒解雇は退職金の全額不支給を伴うケースが多く見られますが、退職金不支給の適法性は別途検討されるため、事案ごとに慎重に判断する必要があります。

懲戒の種類
① 譴責
始末書を取り将来を戒める。

② 減給
1 回の額が平均賃金の 1 日分の半額、総額が一 賃金支払期における賃金総額の 10 分の 1 以内で賃 金を減給する。

③ 出勤停止
14 日を限度として出勤の停止を命じ、その期 間の賃金は支払わない。

④ 降格
役職を解任もしくは降職し、または、等級を下 位の等級に変更し、それに伴い賃金の減額を行う。

⑤ 諭旨退職
退職届を提出するように勧告する。なお、勧 告をした日から 7 日以内に退職届の提出がない場 合は懲戒解雇とする。

⑥ 懲戒解雇 予告期間を設けることなく即時解雇をする。こ の場合、労働基準監督署長の認定を受けた場合 は解雇予告手当を支給しない。

(自宅待機)
第○条 この規則に違反する行為があったと疑わ れる場合で、調査・処分決定までの措置として必 要があると認められる場合には、会社は社員に対 して自宅待機を命ずることがある。 懲

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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