人事労務トピックス
4.202018
トラブルゼロへ! 就業規則改定のポイント(2)
メンタル疾患に対応した休職規定
昨今、企業経営において社員のメンタルヘルスをめぐるトラブルが増えています。
そこで、就業規則の休職規定の見直しが重要な課題といえます。
休職制度とは、病気などで労務に服させることが不適当な事由が生じた場合、従業員の地位を維持したまま一定の期間労務に服することを停止させる制度ですが、従来の就業規則の休職を規定した条文では、メンタルヘルス対応に不十分なケース
が少なくありません。たとえば、次のような場合です。 例1 休職→休職期間満了時に復職→すぐに休職、を繰り返す社員 例2 「自分は大丈夫」と休職を拒否し、周囲に悪影響を及ぼしている社員
こうした事態を踏まえ、休職制度を見直す際のポイントとして、次の4つが考えられます。
① 休職は本人の申し出ではなく、会社が命じることとする
② 長期欠勤ではなく、「労務提供できない」ことを休職の理由とする
③ 休職期間の長さを再検討する
④ 再休職となった場合は、前後の期間を通算する規定とする
そして、休職期間満了時の対応として、3 つのポイントがあります。
① 休職期間満了時に復職できないときは、「解雇」ではなく「退職」扱いとする
② 復職の判断は会社が行うこと
③ 復職における「治癒」の判断基準を明確にしておく
未然にトラブルを防止するための条文例
その上で、メンタルヘルスに対応した休職規定として、次のような条文例が考えられます。
(抜粋)
第a条
社員が次の各号に該当するときは休職とする。 なお、この規定は試用期間中の者には適用しない。
① 業務外の傷病による欠勤が継続、断続を問わず1カ月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないとき
② 業務外の傷病により完全な労務の提供ができず、回復に一定の時間を要すると認められるとき
第b条
前条の定めによる休職期間は次のとおりとする。
① 前条第1号および第2号による休職の場合 勤続1年未満 1カ月
勤続1年以上 3年未満 3カ月
勤続3年以上 10 年未満 6カ月
勤続 10 年以上 1年
② 前条第3号および第4号による休職の場合会社が必要と認めた期間 2 前項の規定に拘らず、会社が特に必要と認めたときは、休職期間を延長することがある。
第c条
第 a 条第1項および第2項により休職し、休職期間が経過しても復帰できないときは退職とする。
社員が次の各号に該当するときは休職とする。 なお、この規定は試用期間中の者には適用しない。
① 業務外の傷病による欠勤が継続、断続を問わず1カ月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないとき
② 業務外の傷病により完全な労務の提供ができず、回復に一定の時間を要すると認められるとき
第b条
前条の定めによる休職期間は次のとおりとする。
① 前条第1号および第2号による休職の場合 勤続1年未満 1カ月
勤続1年以上 3年未満 3カ月
勤続3年以上 10 年未満 6カ月
勤続 10 年以上 1年
② 前条第3号および第4号による休職の場合会社が必要と認めた期間 2 前項の規定に拘らず、会社が特に必要と認めたときは、休職期間を延長することがある。
第c条
第 a 条第1項および第2項により休職し、休職期間が経過しても復帰できないときは退職とする。
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高橋 邦名(たかはし くにかた)
(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。
社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。
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