人事労務トピックス

改正貨物自動車運送事業法で荷主に求められることとは?

貨物自動車運送事業法が改正され、この7月から、トラックドライバーの働き方改革を進め、コンプライアンスが確保できるよう、荷主に対する国土交通大臣による働きかけ等の規定が設けられました。改正法で荷主(着荷主や元請事業者も含まれます)にはどのような事項が求められるかについて紹介します。

◆荷主の配慮義務を新設!
荷主は、トラック運送事業者が法令を遵守して事業を遂行できるよう、必要な配慮をしなければならないこととする責務規定が設けられました。

◆荷主への勧告制度が拡充!
荷主勧告制度の対象に、貨物軽自動車運送事業者が追加されました。また、荷主に対して勧告を行った場合には、その旨を公表することが法律に明記されました。
※荷主勧告制度とは、実運送事業者が行政処分等を受ける場合に、当該処分等に係る違反行為が主に荷主の行為に起因するものであると認められる場合に、当該荷主に対して、再発防止のための勧告を行うもの

◆違反原因行為をしている疑いがある荷主に対して、国土交通大臣による働きかけ、要請、勧告・公表も!
国土交通大臣は、トラック運送事業者の法令違反の原因となるおそれのある行為をしている疑いのある荷主に対して、関係省庁と連携して、トラック運送事業者のコンプライアンス確保には荷主の配慮が重要であることについて理解を求める「働きかけ」を行うとしています。
法令違反となりうる行為としては、例えば、①荷主の都合による長時間の荷待ち時間が恒常的に発生していたり(過労運転防止義務違反を招くおそれ)、②適切な運行では間に合わない到着時間を指定したり(最高速度違反をまねくおそれ)、積込み直前に貨物量を増やすよう指示したり(過積載運行をまねくおそれ)することなどです。
荷主が違反原因行為をしていることを疑うに足りる相当な理由がある場合等には、「要請」を行い、要請してもなお改善されない場合、「勧告・公表」を行うとしています。
また、トラック運送事業者に対する荷主の行為が独占禁止法違反の疑いがある場合には、「公正取引委員会に通知」するとしています。いずれも令和5年度末までの時限措置ではありますが、厳しい措置内容となっています。

◆改正の背景は?
トラック運送事業ではドライバー不足が深刻化しており、日々の生活や産業活動を支える物流機能が滞ることのないようにするためには、ドライバーの長時間労働の是正等の働き方改革を進め、コンプライアンスが確保できるようにする必要があります。
そのためには、荷主や配送先の都合による長時間の荷待ち時間や、ドライバーが労働時間のルールを遵守できないような運送の依頼等を発生させないことが重要であり、荷主の理解と協力が必要不可欠となることから、今回の改正に至りました。

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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