人事労務トピックス

インターンシップ 中小企業での導入判断は慎重に

◆ルールは当面現状維持
就活ルールをめぐっては、経団連が今の大学2年生以降(2021年春入社)についてはルールを作らないと決定し、代わりに政府の主導により、企業説明会は大学3年生の3月、面接は4年生の6月解禁としている現行ルールを、当面維持する方針となっています。
政府は、インターンシップについても、「就業に直接結び付けるインターンシップは禁止」(罰則などはありません)とすることを経済界に要請する方針です。

◆中小企業での導入判断は慎重に
経団連が2018年に実施したアンケートでは、広報活動の解禁前のインターンシップについては、88.2%の会員企業が実施していました。現在も解禁前の選考を兼ねていたり、会社説明会と内容が変わらなかったりするインターンシップは禁じられていますが、実際には「採用とは無関係」という建前は形骸化しているようです。インターンシップは学生の夏休みに合わせて行う企業が多く、募集・申込みは3年生の6月が最も多いため、これから山場を迎えます。
ただし、他の人がしているのでとりあえず申し込むというような学生もいるようですし、中小企業ではインターンシップをきっかけとして採用につながる件数はそれほど多くないのが実際のようです。企業としては新しい人材の発掘の場としたいところですが、学生側では「今後の就職活動に役立てたい」との気持ちが強いと思われます。継続して実施していく中で教育機関とのつながりが充実し、結果的に良い人材の獲得につながる可能性が増えると考えたほうがよいでしょう。中小企業でインターンシップを行うかどうかは慎重に判断すべきでしょう。

◆法的リスクも
インターンシップの内容などから インターンシップ生が労働者に該当する場合があります。労働者にあたる場合には労働関係法規(労働基準法をはじめ、男女雇用機会均等法、最低賃金法、労働安全衛生法、労災保険法など)が適用されることになります。また、インターンシップ中の事故や機密漏えい、ハラスメント等についても会社は対応を検討しておく必要があります。教育機関との覚書や学生用の誓約書など、書式も必要となるでしょう。
インターンシップを行うことが普通のことになりつつあり、メリットもある一方で、その実施に際しては事前準備が大切です。

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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