人事労務トピックス

テレワークは普及したのか?

◆テレワークを巡る動き
政府は2020年東京オリンピック・パラリンピック開催期間中の交通混雑緩和に向け、7月22日から9月6日の約1カ月間をテレワーク・デイズ2019実施期間と設定し、テレワークの一斉実施を呼びかけました。今年は2,885団体が参加し、昨年の1,682団体を大きく上回りました。多様な働き方を実現する働き方改革の切り札としても関心を集めているテレワーク制度ですが、労働者たちにテレワークという働き方は広まったのでしょうか。株式会社ワークポートは、全国の転職希望者413人を対象にアンケート調査を行いました。

◆約90%がテレワーク経験なし
対象者に、「現在の会社(直近の会社)はテレワークを導入しているか」聞いたところ、「いいえ」と回答した人が68.8%、「わからない」が13.1%、「はい」が18.2%となり、テレワーク導入率の低さが明らかになりました。また、「これまでにテレワークをしたことがあるか」という質問には、約90%が「いいえ」と回答しました。テレワークが普及したとはいえないのが実状のようです。

◆テレワークをしたいと回答した人は70%以上
一方、「テレワークをしたいと思うか」という質問では、「思う」「どちらかといえば思う」と回答した人は合わせて73.6%でした。理由としては、通勤時間をカットしてプライベートを充実させたいとの意見が多く挙げられました。また、働き方の多様化を支持する意見も散見され、さまざまなライフスタイルに合った働き方を望む声が見られました。普及状況に対し、労働者からの希望が高いことがうかがえます。

◆テレワーク制度の可能性
今後、テレワークが広く普及することになれば、多くの人が感じている朝の通勤ストレスを大幅に解消することができ、また災害発生時の企業対応としても有効な手段となるでしょう。テレワークを含めた柔軟な働き方が容認されることによって働き手の幅も広がると考えられ、今まで何らかの理由で働くことができなかった層に対し就業の機会を創出することが可能となります。人材確保の点からも検討するべき制度だといえそうです。

【ワークポート「テレワーク」についての調査】
https://www.workport.co.jp/corporate/news/detail/693.html

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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