人事労務トピックス
5.132021
リモートワークの実態は?
◆リモートワーク、どのくらいやってるの?
東京商工リサーチが実施したアンケート調査(11月実施、有効回答1万1,076社)の結果をみると、在宅勤務・リモートワークを「現在も実施している」企業は30.7%にとどまり、導入後に「取りやめた」企業は25.4%にのぼっているとのことです。
また、リモートワークを実施している企業について、従業員の何割が実施しているかを尋ねたところ、割合の大きい順に、「1割」29.80%、「2割」13.92%、「3割」12.85%、「10割」11.14%、「5割」10.95%という結果でした。業務がリモートに向かないというケースもあるのでしょうが、実態としてはこのような実施率のようです。
◆現役世代にとっての新型コロナ
現役世代での新型コロナによる死亡率も、日本では高くないのが実態のようです。新型コロナの死亡者の平均年齢は79.3歳で、ほぼ男性の平均寿命(80.98歳)と同じであり、健康寿命(男性72.14歳、女性74.79歳)との比較でみると男女とも死亡者の平均年齢のほうが上回っているという状況だそうです。
経団連がコロナ対策のガイドラインを改訂し、出張について「見合わせ」から「注意」に変更するなど、不合理な対策は改めようという動きもある一方、まだまだ自粛一辺倒のような空気もあります。会社が立ち行かなくなっては元も子もありませんから、ワクチンの開発など期待せずに、感染の現状について自社で判断しながら、できることからやっていくしかないのでしょう。
◆雇調金などもあるけれど……
前述のアンケート調査では、「1年以内に廃業を検討する可能性がある」と回答した中小企業が42.2%に上っています。11月上旬時点の調査結果なので、第3波を迎えているとされる現時点では、増加している可能性もあります。
特例措置の期間が延長された雇用調整助成金などの利用も、一時的には考えられますが、いつまでも頼れるものではありません。
自粛継続によって経済がシュリンクし、自殺率が高まるなど、社会的な問題も深刻となりつつあります。医療崩壊を防ぐには、新型コロナを指定2類感染症としている取扱いの見直しも検討が必要かもしれません。経済回復との両立に向け、感染防止に向けた取り組みの再点検が求められます。
【株式会社東京商工リサーチ 第10回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査】
高橋 邦名(たかはし くにかた)
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