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いま、中小企業がとるべき人材戦略とは (4)中小企業は及第点の社員を教育し、定着させる時代

それでは、中小企業はどう対処すべきか。及第点ではない人材をいかに及第点レベルまで引き上げて使うか、という視点が必要となります。たとえば10点満点で2、3点の人材を採用し、その後の教育、人材育成によって6、7点の水準に引き上げていく。これが、中小企業が今とるべき人事戦略なのです。

多くの中小企業は、社員が辞めることで受けるダメージを明確にイメージできていません。しかし、マンパワーをトータルで把握しながら事業を展開しないと、欠員が生じた場合に事業計画そのものが成り立たない事態に追い込まれます。それどころか、経営が数年前の時点に後戻りしてしまい、事業計画をリセットせざるを得ません。

また、社員が数年で辞めていくと経費的にも多大なロスが生じてしまいます。仮に、年収400万円のAさんが入社3年で会社を辞めたとします。単純計算では400万円×3=1200万円の損失となりますが、実際にはAさんを教育したベテランスタッフの人件費等を含めると、ほぼ3倍の経費が掛かっています。

この事例では3600万円の損失となりますが、社員の定着率が低い企業は、代わりに入ったBさん、Cさんでも同じことを繰り返します。人材に付加価値を付けるどころか多額の損失を出し続けることは、経営環境が厳しい中にあってあまりにもロスが大きいといわざるを得ません。

「人が育たないから業績が上がらない」という悩みを抱える中小企業は多く、社員の定着性を引き上げることは経営上避けては通れない課題なのです。いかに人材を定着させていくかについて、次回以降説明していきます。

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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