人事労務トピックス

一般化するリファラル採用と、その留意点

◆「リファラル採用」とは
リファラル採用(referral recruiting)をご存知でしょうか。いわゆる縁故採用の一種で、「自社従業員に、採用候補者を紹介してもらう採用(制度)」をいいます。
◆最新調査結果
株式会社リクルートキャリア「リファラル採用で声をかけられた人の実態調査」によれば、「リファラル採用の制度がありますか」という質問に対し、「制度があり、推進している」が48%、「制度があるが、推進していない」が23%と、回答企業の7割以上で社内制度化されています。
ほかにも、「知人の会社に誘われた人のうち、実際に選考を受けた人」が54.8%にのぼるなど、広く行われている結果となりました。「リファラル採用」という言葉が広まったのは最近のことですが、従業員(以下「紹介者」)の紹介による採用は、珍しいことではありません。
◆リファラル採用のメリット
企業にとっては、リファラル採用のメリットとして、「採用のミスマッチが起こりにくい」(紹介者が詳細に企業説明をするため)、「定着率が高い」(紹介者による入社後のアフターフォローのため)、「採用コストが低い」、「通常の採用活動では応募しないような人材を採用できる」、などが挙げられます。
一方、デメリットとしては、「不採用とした場合の、人間関係悪化」、「紹介者が退職した場合の、採用者の意欲低下」などが懸念されることがあります。
◆紹介者へのインセンティブの相場
採用に至った場合、紹介者にインセンティブ(成功報酬)を支払う場合もあります。
エン・ジャパン株式会社「リファラル採用(社員紹介)意識調査」によれば、リファラル採用実施企業の44%が、紹介者へインセンティブを支給しています。また、その支給額は「3万円から10万円」が最多(52%)とのことです。
◆インセンティブ支給の留意点
紹介者にインセンティブ支給の際は、「賃金として支払う必要がある」点に留意しましょう。「被用者で当該労働者の募集に従事するもの」に「賃金、給料その他(略)報酬」以外を支払うことは、職業安定法40条(報酬の供与の禁止)違反となるからです。
リファラル採用を社内制度化するにあたっては、労働局等に相談のうえで、就業規則や賃金規程に明文化するとよいでしょう。
【参考】
リクルートキャリア「リファラル採用で声をかけられた人の実態調査」
https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2018/181101-01/
エン・ジャパン「リファラル採用(社員紹介)意識調査」
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2017/11266.html

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高橋 邦名(たかはし くにかた)

(株)高橋賃金システム研究所 代表取締役/多摩労務管理事務所 代表。 社会保険労務士。賃金体系を専門に、労務管理制度の策定から定着、人材の開発・育成という従業員を活かす『活人コンサルティング』をテーマに活動し、人事から経営を支援する。セミナー講演多数。「『社長、やりましょう!』と社員が言いだす経営」(H&I)、「CSR時代のミッションマネジメント」(泉文堂)、「人を活かせば、企業はまだ伸びる」(鳥影社)他多数。

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