人事労務トピックス
11.222019
組合数は減少、組合員数はパート労働者で大幅増加~厚労省基礎調査
◆労働組合数と組合員数
厚生労働省が公表した平成30年「労働組合基礎調査」の結果によると、平成30年6月30日現在、単一労働組合は24,328組存在しており、組合員数は1,007万人で、前年と比べると組合自体は137減っているのに対し、組合員数は8万8,000人増えています。過去5年間の調査結果をみても、組合数は減少の一途に対し、組合員数は増加し続けています。
□また、労働組合員(単位労働組合)のうち、パートタイム労働者は129万6,000人で、前年より8万9,000人増えていて、全組合員に占める割合は13.0%となっています。この割合は、過去5年間、毎年1%ずつ増加しています。
◆産業別の実態
産業別にみると、「製造業」が全体の26.3%と最も多く、次いで「卸売業、小売業」が14.7%、「運輸業、小売業」が8.4%と続きます。逆に、組合がほとんどない業界として、「農業・林業・漁業」が0.1%、「鉱業、採石業、砂利採取業」0.1%、また「不動産業、物品賃貸業」が0.3%となっています。
◆企業規模別の実態
民営企業の労働組合員数(単位労働組合)は865万3,000人で、前年に比べて10万4,000人増えています。これを企業規模別にみると、1,000人以上規模が全体の65.4%を占めています。300~999人規模は全体の13.3%、100~299人規模は7.0%と、組合員数は企業規模の大きさに比例しています。
◆主要団体への加盟
主要団体別に、産業別組織を通じて加盟している労働組合員数(単一労働組合)をみてみると、組合員が増えている団体は、連合(日本労働組合総連合会)が686万1,000人(前年比0.9%増)、インダストリオール・JAF42万7,000人で前年比1.2%増。一方で、横ばい、もしくは減少している組合は、全労協(全国労働組合連絡協議会)が9万7,000人(前年比1.0%)、全労連(全国労働組合総連合)が53万6,000人(前年比1.2%減)となっています。
労働組合の用語の定義
・単位組織組合:規約上労働者が当該組織に個人加入する形式をとり、かつ、その内部に独自の活動を行い得る下部組織(支部等)を持たない労働組合
・単一組織組合:規約上労働者が当該組織に個人加入する形式をとり、かつ、その内部に下部組織(支部等)を有する労働組合をいう。このうち最下部の組織を「単位扱組合」、最上部の組織を「本部組合」という。
・単位労働組合とは、「単位組織組合」および単一組織組合の下部組織である「単位扱組合」をいい、単一労働組合とは、「単位組織組合」および単一組織組合の最上部の組織である「本部組合」をいう。
【平成30年労働組合基礎調査の概況(PDF)】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/18/dl/gaikyou.pdf
高橋 邦名(たかはし くにかた)
最新記事 by 高橋 邦名(たかはし くにかた) (全て見る)
- 「副業」実態調査~「エン転職」ユーザーアンケートより~ - 2021年7月20日
- 職場での新型コロナウイルス感染予防に役立つマスクの素材と効果の知識 - 2021年7月10日
- 就職氷河期世代の就業支援に向けたハードル - 2021年7月3日